総監督ノート

~学生自転車競技のコーチングメモ~

遅れ馳せの23年振り返りと、24年に向けて

昨年9月のインカレ総括もままならないうちに、昨年は特に会社の業務に忙殺され、あっという間に年を越し、さらにもう1月さえ終わろうとしてしまっている。 2023シーズンは、四年生が競技生活と就職活動とを春先からうまく両立してくれたこともあり、前年に…

インカレ2023総括① トラック戦評

今年もまた、学生自転車選手にとって年間最高峰の目標となる大会、全日本大学対抗選手権(インカレ)がやって来た。今回はトラックレースを8月25日(金)~27日(日)の3日間、TIP STAR DOME CHIBA(千葉市)にて、ロードレースを9月3日(日)に長野県大町市にて、…

雪池忌 ~年末年始個人面談まとめ~

ついこの間年が明けたと思ったらもう1月が終わってしまい、今日は2月3日。「雪池忌」(ゆきちき)とも称される、福澤諭吉先生のご命日です。僕も会社を少々抜け出して、麻布・善福寺へ墓参に訪れ、今季の当部の安全と健闘を願って来ました。 港区元麻布・善…

早慶戦ついに勝利!~21年ぶりの快挙の理由

ついに、この日が訪れた。12月4日(日)に山梨県・境川自転車競技場で開催された、第55回早慶自転車競技定期戦(早慶戦)。我が慶應義塾は、実に21年ぶりの勝利をもぎ取った。 表彰式で優勝杯を手にする当校・佐藤主将(右) 我々が最後に勝利したのは2001年大…

インカレ2022総括:後編 ~ロード戦評と全体まとめ~

9月1日(木)~4日(日)の4日間、鹿児島県で開催された全日本大学対抗選手権(インカレ)の総括後編である。(前編はこちら) <目次>(前編) ● 今年の目標と戦略はこうだった ● 現地入りしてからのコロナ騒動で波乱の幕開け ● トラックレース戦評(後編)→今…

インカレ2022総括:前編 ~事前戦略とトラック戦評~

去る9月1日(木)~4日(日)の4日間、鹿児島県南大隅町にある根占自転車競技場及びその周辺道路で、今季の全日本大学対抗選手権(インカレ)が開催された。近年は会場都合やコロナの影響等でトラックとロードを別週に開催することが続いていたが、今年は2017年…

20年ぶりに公式ジャージをリニューアルした件

体育会の各部にとって、公式ユニフォームは命の次くらいに大切なものでしょう。本塾で言えば、野球部のグレー地に紺色のKEIO文字、蹴球部(ラグビー部)の黒黄縞のタイガージャージ、などは一般スポーツファンにも広く知られたアイコンとなっています。 当部…

創部120周年にあたって

本日、我が慶應義塾体育会自転車競技部は、創部から満120年を迎えました。この長い歴史を積み上げ支えてくださったOB・OG各位やそのご家族、歴代の部長先生、体育会はじめ塾関係各位、日本学生自転車競技連盟や早稲田大学自転車部をはじめとする自転車競技界…

いまどきの自転車部員の就活事情【後編】

現在の大学三年生(4月から四年生になる代)の就職活動が本格化して来るこの時期のテーマとして、2回に分けて書いています。その後編です。前編 では、当部部員がどのような業種に進んでいるのかや、就活と部活動の両立具合(及び両立の意義)について分析・…

いまどきの自転車部員の就活事情 【前編】

2月初旬で大学の期末試験も晴れて(中には雨の人もいますが)終了し、自転車競技部員達はコロナ対策に十分留意しつつ、春のシーズンインに向けた乗り込み時期に突入したところです。昨日(2/13)には学連の今年初レースが埼玉県・川島町で開催され、当校・山…

21年振り返りと22年に向けて

2021年が間もなく終わろうとしています。我が自転車競技部は12月中旬に全部員で今季を振り返り来季目標を立てる「納会」を済ませ、下旬から年末年始にかけて、僕と各部員との個人面談を実施している最中です。納会で僕や先生・OB諸氏が話した、あるいは部員…

「早慶戦」は存続出来るか

去る11月14日(日)、好天に恵まれた山梨県・境川自転車競技場にて、第54回早慶自転車競技定期戦が開催された。コロナの影響で2020年は中止を余儀なくされたものの、2年ぶりの開催が実現したことは、両校現役・OB/OG一同にとって大変喜ばしいことだった。 早慶…

インカレ2021 ロード総括

去る8月22日(日)に群馬CSC6kmサーキットコースで開催された、2021年インカレ男子ロードレース。今年もまた、当校は完走者を出すことが出来ず、部員諸君は悔し涙を流していた。中長距離メンバーはトラック種目もさることながら、やはりロードレースへの想いが…

インカレ2021 トラック総括

東京五輪の余韻がまだ冷めやらぬ8月13日(金)から3日間、国内学生選手にとって年間最大の目標レースとなる全日本大学対抗選手権(インカレ)のトラック競技が、長野県松本市・美鈴湖自転車競技場で開催された。昨年度は新型コロナウイルスの影響で「代替大会…

ビデオ撮影のコツと活用(自転車トラック競技の場合)

17日間の東京五輪が終わりました。コロナ、組織委、IOCなど様々な論点で大騒動でしたが、いざ始まってみれば一瞬の出来事だったように思われます。8月下旬にはパラリンピックが開幕する予定ですが、こちらは是非円滑に開催・運営されることを祈ります。 五輪…

TOJステージ優勝 ~ 実業団に送り出す価値と留意点

国内最高峰のステージレース、ツアー・オブ・ジャパン。UCIアジアツアーの冠も付いたこの高いレベルのレースで、当校選手が勝利するとは誰が予想していただろうか。いや、それを現実のものとした本人にとっては想定の範囲内だったかもしれない。 新型コロナ…

「帰属意識」と「拠点意識」 ~ 部を支える人材がひとりでも増えるように

日経夕刊のコラム「あすへの話題」に、いま法政大学・田中優子総長が毎週寄稿されている。2月9日付の同欄では、法政大学にミュージアムを作ったという話題から、組織に対する「帰属意識」と「拠点意識」について書かれており、参考になるものだった。 田中総…

年頭にあたって

明けましておめでとうございます。2021年の幕開けは、新型コロナウイルス第三波に重なって、静けさとともに訪れました。例年であれば皆で集まって年頭ミーティングを開催するところですが、今年はこのような状況下、このブログ上で現役諸君へのメッセージを…

納会と個人面談 ~ 年末の締めくくり

毎年12月は、我が自転車競技部も一年を締めくくる時期になります。 当部は12月上~中旬の週末に「納会」を開催し、部全体及び各部員の年間活動総括を行います。ここには全部員の他、部長先生と指導スタッフ、及びOB/OGからも希望される方々(毎年10名程度)…

益子直美さんとの対談 ~ ほめ方・叱り方・怒り方?

去る12月21日夕方、ウェビナーというものに初めて登壇して来ました。「CHEER UP BIZ ~ スポーツから学ぶビジネスのヒント」と題するもので、元バレーボール全日本代表でタレント・スポーツキャスターの益子直美さんや、MCの井上マーさんと共に、スポーツ現…

部内対抗紅白戦 ~ 自主性を育む

去る12月6日(日)、好天に恵まれた山梨県・境川自転車競技場にて、我が慶應義塾体育会自転車競技部の「部内対抗紅白戦」を開催しました。部員約20名を戦力均衡するよう半分にわけて、①スプリント、②ケイリン、③エリミネーション、④アンノウンディスタンス、…

インカレ(代替大会)ロード ~ 冷雨に完敗

10月17日(土)、群馬県みなかみ町の群馬サイクルスポーツセンター6kmサーキットにて、全日本大学自転車競技大会(ロード競技)が開催されました。前週のトラック競技と同様、ロードについても新型コロナの影響で今年は選手数と距離が縮小されました。男子の場…

インカレ(代替大会)トラックまとめ

10月10日(土)~11日(日)の2日間、長野県松本市の美鈴湖自転車競技場において、全日本大学自転車競技大会(トラック種目)が開催されました。前回記した通り、今年は新型コロナの影響で参加ままならない大学や選手もいることから、例年より種目・日程を縮小し…

インカレメンバーはどう決めるか

国内の多くの種目の学生アスリートにとって、年間の最大目標はやはり全日本大学対抗選手権(インターカレッジ)でしょう。自転車競技も例にもれず、毎年8月下旬~9月初旬にトラックとロードの両方で各校代表選手が競い合い、種目毎に付与される対校得点の総…

レース再開 ~コロナ禍の半年間振り返り

今年のツール・ド・フランスが8月末の土曜日に例年より約2ヶ月遅れで開幕したのに続いて、9月からは国内の学生レースもいよいよ再開となりました。9月5日(土)には全日本学生個人ロードレースが群馬で、12日(土)~13日(日)には同トラック大会が福島で、…

「9月入学」で学生スポーツはどう変わるか

新型コロナウイルス拡大防止への社会的対応により、高校・大学は4月に入ってからも在宅学習・部活休止状態が継続しています。大学では4月末からオンライン授業が本格的に開始されたところです。僕自身も会社の緊急事態対応やテレワーク化推進で大きく時間が…

本木雅弘と一流アスリートとの共通点

3月28日(土)に放送されたNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」の本木雅弘スペシャル、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。まあ大河ドラマの番宣的色彩(および緑茶の宣伝的色彩笑)はもちろんありましたが、この外出自粛でみんなが自宅にいる週末…

落車時の対処法あれこれ

世の中は引き続き新型コロナウイルスの世界的感染拡大による影響が続いています。本塾も体育会各部の行事・合宿の中止、卒業式の中止、入学式の延期、高校では部活動禁止等の措置が取られています。当部大学チームは2月末に合宿を途中で引き上げて以降、しば…

創部記念日 ~「日本最古」なだけで良いのか?

新型コロナウイルス対応で全世界が揺れ動いている現在、慶應義塾や体育会も各種行事や活動の中止・自粛判断をせざるを得ない状況となっています。当部も2月下旬から南房総で実施していた合宿を途中で切り上げて来たところです。 そんな中で、本日・3月3日、…

コーチも自転車に乗るべきか、乗らざるべきか

今月20日発売の「BiCYCLE CLUB」誌4月号は、主に社会人サイクリストを対象とした「歳をとっても軽快に動ける!自転車乗りの身体メンテ術」を特集しています。その一部に取材協力させてもらったので、もしよければ書店または各種電子書籍サービスなどでご覧い…